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勝てなかったライバル


久しぶりに田舎に電話をしました。(用件は兄貴の絵の使用許可のお願いだったのですが・・)
田舎に電話すると、旧友の名前やら近況やらを教えてくれます。幾つになっても懐かしい気分になるもんです。
次男の兄貴は学校の教諭をしているものですから、剣道関係の近況も教えてくれます。小学、中学、高校としのぎを削った仲間の事、頑張っていると聞くと嬉しくなります。

ふと小学校時代に、一度も勝てなかったライバルの事を思い出しました。
・・・そうですね。仮の名前で沖田総司君としときます。
彼は小学生の割に長身であり痩身でもありました。彼が属していたチームは隣町なんですが、まったく目の上のタンコブ的存在で、私が勝ち進んでいくと必ず待ち受けていて、一度も勝つ事が出来ません。
団体戦も彼は大将をしていて、大将戦になったら必ず負け・・。
本当に悔しくて、負けず嫌いの私は必死に練習したものです。
それでも小学校時代は、沖田総司君には一度も勝てずに終わりました。

私は中学に進みましたが、彼と対戦する機会は、それ以降訪れませんでした。

沖田総司君は胸を患っていました。
胸骨や肋骨が内側に曲がり心臓や肺を圧迫する病気でありました。沖田総司君は中学に進むと手術を繰り返し、結局、剣道を断念したのです。
健康体であり負けず嫌いだった私は、幸運にも県の中学総合体育大会で個人優勝をする事が出来ましたが、沖田総司君が剣道を続けていたら優勝出来たかどうか・・・。

小学校時代から胸は圧迫されていたそうですから、呼吸は苦しかったはずです。青白い顔で飄々と笑い、それでいて剣は鋭く・・。おそらく彼の命を削るような、剣道に対する気迫に勝てなかったのだと思います。

沖田総司君の事は今でも時々思い出します。一度も勝てなかった、私の中では世界最強の剣士です。
カテゴリ:剣道のお話 | 23:30 |