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野球を科学する (トレーニング編 Vol 3)



 (トレーニング効果を決定する因子)

 特別な運動をして体の運動遂行能力を向上させる事をトレーニングと定義したのですが、運動遂行の主体である筋肉は必ずしも運動だけの影響で適応していくものではありません。

 分かり易くいうと、トレーニングを続けていっても、満足に食事が摂れなければ筋肉は発達していかないのであります。すなわち、新しいタンパク質を合成したり、より大きな細胞とするのに必要な栄養物質を筋肉の細胞へ補給する事がなければ、運動の効果はほとんど現れないのです。

 では、筋肉が大きくなって力強さを増大させる因子としてどんなものが考えられるか。現在のところ、「運動」「栄養状態」「内分泌」「神経支配」の4つとそれらに影響する「遺伝子」の5つがあげられています。これらの因子のうちで「運動」はトレーニングを考える際には当然のごとく基本因子として扱われています。



 (トレーニング効果が生じる運動の条件)

 トレーニング効果をあきらかに生じさせるためには、そのための運動の条件が整わなければなりません。

 部分的な運動遂行能力として、等尺性収縮(アイソメトリック・エクササイズ)についての研究結果を紹介します。

 西ドイツでは色々な実験を繰り返し、力の発揮は最大に発揮出来る力の40〜50%で十分である事、一回の力の発揮は最大なら、1〜2秒間、3分の2の力なら4〜6秒間維持すればよい事、そして、1週に1回(最大の効果が得られるのは毎日1回)は必要)という結論が報告されています。

 全身的な運動遂行能力として、最大酸素摂取量(エアロビック・パワー)についての研究を紹介しますと、日・欧・米のこれまでの研究成果を整理して、運動(歩く、走る、自転車をこぐ)の強さは最大酸素摂取量の40〜50%、その運動の継続時間は20〜30分頻度は1週に2〜3回が、効果が確実に生じる条件であると報告されています。ただしここで引用されたのはスポーツ選手ではなく一般人であります。

 つまり、運動選手が怪我をしてギプス固定をしたとします。ギプス固定により筋力の減弱を抑えようと考えるのであれば、ギプス固定をしたままでも、等尺性収縮(アイソメトリック・エクササイズ)を行う事で筋力の減弱を最低限に抑える事も可能なのであります。




【摘要】

(インナーマッスル)

よく、来院した野球選手から、「インナーマッスルを鍛えるにはどうしたらイイんでしょう?」とか、「インナーマッスルを鍛えていたのに、、なんで肩が痛くなるんですか?」とか聞かれるのであります。

「インナーマッスル?あぁ、、、それだけを鍛えるってムリ。」 そっけなく言ったり、

「インナーマッスルを鍛えてた?そりゃぁ、投げすぎたら誰でも痛くなるわ。」
インナーマッスルを鍛えたら凄いボールが投げられる、とか、投げても肩を痛めない。とか、結構信じている選手も多いのです。

―― インナーマッスルの意味しってるかぁ、、、

話をしていて時々苦笑いを浮かべる事もあるのであります。


トレーニングの話をしていると、時々顔を出すインナーマッスル。
インナーマッスルを日本語で言うと、「深層筋群」。いわゆる体内の深い位置に筋群で、表層にあるのをアウターマッスルで、よく聞く、僧帽筋とか三角筋とか大胸筋はこれにあたります。

一般的な筋力トレーニングで主に鍛えられるのはこのアウターマッスルで、普段意識してトレーニングされる事がないのがインナーマッスルであろうかと思います。

次回の摘要欄、インナーマッスルの鍛え方を書いてみるとします。





                            【次回続く】



カテゴリ:スポーツの話 | 00:58 |