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野球を科学する (トレーニング編 Vol 4)



(運動強度の漸増)

 トレーニングに効果をもたらす条件のうち、運動の強度が最大能力にたいする割合(パーセント)で示されているという事は、トレーニング効果が現れ、筋力が向上していくにつれ、絶対的な運動強度を増大させていかなければならないことを意味しています。

 筋力の向上を目的としたトレーニングの例として、アメリカの有名な運動生理学に記載されている、クロトナのミロの話があります。
「筋力を増大する唯一の方法は、しだいに抵抗を増やしつつ、この抵抗に対して筋力を出す事である。これと関連して思い出される事は、クロトナのミロの古い物語である。この物語は、ラジオのプログラムで演出された。149ポンド(67・6kg)の体重を持つ17歳の青年が、子牛を毎日持ち上げる練習を始めた。この時の子牛の体重は75ポンド(34・0kg)であった。この練習を201日続けたが、牛は290ポンド(131・7kg)に成長したために、ついにこれ以上持ち上げる事が不可能となった。」と書いてあります。

 次に、有酸素性作業能力(エアロビック・パワー)の向上を目的としたトレーニングの例を紹介します。

 7名の成人女性を対象として、30週間にわたるトレーニング実験が行われました。まず、最初は、最大酸素摂取量の65%にあたる酸素の摂取量となる運動強度で13週間行われ、トレーニングが経過するにつれて、最大酸素摂取量が増大していったため、その65%の酸素摂取量となる運動の強度は380kgm/分から480kgm/分と漸増していったのであります。

 また、65%の強度の次に75〜80%の強度でトレーニングと継続していきました。その場合も最初の強度580kgm/から640kgm/分へと漸増していったのであります。このようにトレーニング強度をトレーニング効果が現れるのに応じて漸増させていって、最大酸素摂取量は29・4ml/kg/分から、30週目で36・1ml/kg/分へと向上したのであります。

 このように、筋力トレーニングであれ、有酸素性のトレーニングであれ、同じ内容、質量で行い続けても維持は出来ても向上する事は望めません。競技能力を向上を目的に行うトレーニングは、運動強度を漸増する事が必要であります。


(ルーブル美術館 クロトナのミロ像)



 (競技成績の向上とトレーニング)

 スポーツの競技成績、それが100m走の9秒7というタイムであれ、走り幅跳の9m近い距離であれ、プロ野球にみられる勝率であれ、また体操競技の採点結果であれ、競技者(選手)ないし、競技集団(チーム)の競技力を端的に表す数値であります。

 一流の選手であろうと、一般の人であろうと、スポーツに参加する人は誰でも、自分の競技力を向上させ、成績を少しでも上昇させようと努力します。

 例えば、テニス選手は国内的にも国際的にも前シーズンの成績によってランクづけされ、また、シード順位が決められています。しかし、ランク上位の選手が必ずしも勝つとは限りません。その日の心理状態や体調、ハードコート(全天候型コート)とかクレイコート(土のコート)といった物理的環境が影響するかもしれないからです。

 例えば、プロ野球選手が、前年にある投手に対して5割近い打率を残していたとしても、今シーズンは同じように打てるとは限りません。

 つまり、重要な事は、その前の試合から今回の試合までの間にどんなトレーニングをしてきたかによって、選手の競技力そのものが変わってしまっている事があり得るからであります。テニス選手でしたら、サーブの球速が増したかもしれない。投手でしたら、変化球を新たに覚えたかもしれないし、トレーニングにより球速が増したかもしれない。

 いずれにしても、試合の後、負けた原因を見つけ出す事が重要であります。敗因を「相手が強すぎた。」とか「審判の判定が悪かった。」とかにしてしまっては進歩が望めません。まずもって、競技力の向上をもたらすトレーニングの内容を再検討すべきであり、競技の内容も再構築する必要があると考えます。



【摘要】

(インナーマッスル ◆

インナーマッスルは、アウターマッスルと違い、強い力を発揮する際にメインとして使われる訳ではないのですが、関節を体幹にしつかり固定する役目があります。ボールを投げる野球選手にとって、肩関節、特に肩甲骨周辺のローテッターカフは非常に重要です。
しかし、インナーマッスルは深層にあり、一般的なトレーニングでは基本的にアウターマッスルを鍛える事になります。インナーマッスルのトレーニングは低負荷で高回数が基本になります。

一般的なインナーマッスルのトレーニングは、チューブを使ったトレーニングが有名であり、他サイトでも多数紹介されているので、そういったものは省略して、手軽に出来る方法を述べてみたいと思います。


/燭団召阿卜ち肩をすくめる。
ただし、これだけだと、僧帽筋がメインに働いてしまいますので、真っ直ぐに立ちしっかり胸を張る。まぁ、手っ取り早くいうと、オードリーの春日のような姿勢で、肩甲骨を持ち上げるように肩をすくめるのであります。
意識はあくまでも肩甲骨。肩甲骨を持ち上げる意識を持ってやっていただく事が重要です。
収縮時間は5秒ほど。5秒ほど収縮して脱力。そして収縮するを繰り返し、20〜30回程度。物足りない人は手に軽めの負荷を持ち行っても良いと思います。

∧匹魏,后
ただし、腕に力を入れると三角筋やら背筋がメインになってしまうので、意識は肩甲骨。腕にはそんなに力を入れず、肩甲骨で壁を押す感覚です。
難しいと感じるのであれば、腕立て伏せの姿勢で腕の曲げ伸ばしをせず、肩甲骨を収縮させる。が分かり易いかもしれません。
収縮時間は5秒ほど。,汎韻犬茲Δ坊り返していただくとよろしいかと思います。


と、手軽に出来る方法を書いてみましたが、意識はあくまでも肩甲骨。肩甲骨をしっかり体幹にくっつける感じが重要だと思います。



                            【次回続く】




カテゴリ:スポーツの話 | 17:33 |