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野球のスポーツ障害 (肩の障害編 Vol2)


 肩インピンジメント症候群

 
「インピンジ」は、日本語で言うと「衝突」という意味であり、症候群というのはシンドロームとも言われ、病名と考えていただければよいと思います。

肩を上げていくとき、ある角度で痛みや引っかかりを感じ、それ以上に挙上でなくなる症状の総称です。

基本的に、投球時痛がメインでありますが、悪化するとこわばりや筋力低下なども伴い、夜間痛を訴えることもあります。


肩を挙上するとき、あるいは挙上した位置から下ろしてくるとき、ほぼ60-120°の間で特に強い痛みを感じることがあり、有痛弧徴候(ペインフルアーク)といわれます。








 
野球などスポーツによる肩インピンジメント症候群は、大結節が肩峰にぶつかるのではなく、上腕骨が若干前方に偏位し、烏口肩峰靭帯にこすれて肩峰下滑液包の炎症を起こすのであります。骨形態の個人差として肩峰がもともと下方に突出している場合や、加齢変化として肩峰下に骨棘ができた場合にも炎症をおこすと理解されます。

上腕を外転する課程で、上腕骨と肩峰の間に腱板の一部や肩峰下滑液包などが挟み込まれ、繰り返して刺激が加わると滑液包に浮腫や出血が起こります。








安静にするとこの変化は正常に戻り症状は軽快しますが、動作の反復によっては症状の再燃を繰り返して慢性化します。進行すれば、時に腱板の部分断裂となったり、肩峰下に骨の棘ができたりして痛みがなかなかとれなくなることもあります。

基本的に、肩インピンジメント症候群は、ボールの投げすぎが原因でありますが、いわゆる手投げの状態を繰り返した結果、引き起される病態とも考えられ、実際、こうした選手の投球フォームは手投げとみられるケースが多く、投球フォームの改善が治療につながる場合も多いようです。


高校生から大学生にかけての若年者で、技術的に未熟な選手と、10年以上競技を続けたような競技レベルの高いベテランプレーヤーに多いのも特徴です。

治療の基本は肩関節可動域と腱板機能の改善と肩甲骨との協調性の改善にあります。年齢が若かくても頻度的には多く、もちろん症状が強い時にはノースロが必要になります。

投球フォームの不良を認める場合が多いので、体幹の回旋や下半身の使い方を指導する事は必要であります。保存療法には反応しやすく、治癒する可能性が高いので若い選手には、外科的手術ではなく、あくまでも保存療法を第一とすることが望ましいと思われます。

一方、競技歴の長いベテランプレーヤーには保存療法は効果があっても再発しやすく、肩峰形成の効果が高いようです。







 
カテゴリ:スポーツ障害 | 19:36 |